新型コロナウイルスの感染拡大により、アルコール消毒液が品薄になっていますね。
そのため、代用品としてスピリタス(アルコール度数が非常に高いウォッカ)を買い求める人も多いようですが…
2020年2月現在、スピリタスさえ品薄が続いている状態です。

このような状況のため、中には「スピリタス以外で、アルコール消毒できる酒はないのかな?」と考える人もいるでしょう。
そこで今回は、ワイン・ホワイトリカー・日本酒がアルコール消毒の代用になるのか調べてみました。
目次
結論:ワイン・ホワイトリカー・日本酒では代用できません
市販の酒で代用できない理由

結論から言えば、ワイン・ホワイトリカー・日本酒ではアルコール消毒ができません。
というのも、アルコール度数が低いため消毒できるレベルに達していないのです。

【比較】ワイン・ホワイトリカー・日本酒の濃度
日本で販売されている消毒用エタノールは濃度が76.9〜81.4 vol%と規格が定められています。
しかし、市販の酒はこれほど濃度が高くありません。
ホワイトリカーでさえアルコール度数は35度。日本酒やワインだとさらに濃度が下がります。
つまり、ワイン・ホワイトリカー・日本酒はいずれもアルコール度数が足りないのです。
そのため、消毒効果を得るには不十分でしょう。
酒の種類 | 度数 |
---|---|
日本酒 | 15~16度(最高でも20度前後) |
ホワイトリカー | 35度 |
赤ワイン | 11〜15度 |
白ワイン | 7〜14度 |
いかがでしょうか?
消毒用エタノールの濃度(76.9〜81.4 vol%)と比較すると、お酒はどれもアルコール度数が低いですよね。
現在では60~95%の濃度範囲なら殺菌・消毒力はあまり差がないと言われていますが、どちらにしろ酒では度数が足りません。
一般に「消毒用エタノール」と言われる80v/v%くらいの濃度の殺菌力が最も強く、50 v/v%以下になると、十分な消毒効果は期待できません。また、無水エタノール(99.5v/v%以上)のように濃度が高すぎても消毒効果が低くなったり、手荒れを起こすことがあるので、60~95v/v%を選んでください。
引用元:https://bit.ly/2wzSPIJ
70%エタノールがもっとも強い殺菌・消毒力をもつと言われてきましたが, 現在では60~95%の濃度範囲であればその殺菌・消毒力にはほとんど差がないと言われています。
引用元:https://www.musui-ethanol.net/column/column01/
詳しくは下の記事で紹介していますが、アルコールであれば何でも代用できる訳ではないのです。

アルコール消毒の代用になる酒
スピリタスが話題になったワケ

スピリタスはウォッカの一種であり、アルコール度数はなんと96%
このスピリタスが代用品として話題になっている理由は、アルコール度数が非常に高く成分のほとんどが純粋なアルコールだから。
元々が高濃度なので、精製水(不純物のない水)で薄めれば消毒に適した濃度にできるのです。

アルコール度数の高い酒はどれ?
アルコール度数が高い酒はウィスキーやウォッカなど。蒸溜を繰り返しているため、非常に高濃度です。
例えばウォッカの場合、スピリタス以外にアルコール度数88%の銘柄も販売されています。

追記|酒造メーカーが”消毒できる酒”を製造
2020年3月頃から、日本の酒造メーカーが消毒液として代用できるお酒の販売をスタートしました。
商品名一覧を下の記事にまとめたので、必要な方は参考にしてみてください。
まとめ

日本で販売されている消毒用エタノールは、濃度が76.9〜81.4 vol%。
一方で、市販の酒は消毒用に比べれば濃度が低めです。
- 消毒用エタノール:76.9〜81.4 vol%
- 日本酒:15~16度
- ホワイトリカー:35度
- 赤ワイン:11〜15度
- 白ワイン:7〜14度
日本酒・ホワイトリカー・ワインを使用しても、消毒効果は期待できません。
他の代用品を探した方がいいでしょう。
中には「酒を蒸留して濃度を上げればいいのでは?」と思う人もいるかもしれませんが…
無許可で蒸留すると、恐らく違法になります。

それでは、ここまで読んでいただきありがとうございました。