スマートフォンのケーブルなどが接触不良になったとき、接点復活剤を使うと不調を改善できます。
いろいろな電気装置の管理にも使えるため、あると便利なアイテムですよね。
とはいえ、普段使わないものなので持っている人は少ないでしょう。
そこで今回は、接点復活剤の代わりになる物を紹介します。
また、除光液・鉛筆・メガネクリーナーなど身近なもので代用できるのかなど、気になる部分もわかりやすく解説します。
目次
そもそも接点復活剤とは?
電子部品用の洗浄剤です
簡単に説明すると、接点復活剤(せってんふっかつざい)とは電子部品用の洗浄剤です。
電気接点の汚れを除去することで電気を流れやすくし、機能を回復させる効果があります。

どんな時に使うの?
スマートフォン・イヤホン・コンピューターなどを使用するとき、電源が入らなかったりスイッチを回すと妙な音が聞こえたりした経験はありませんか?
このような接触不良による不具合を改善してくれるのが接点復活剤です。
接点復活剤には
- スプレー式
- 塗るタイプ
の2種類がありますが、よく使われるのはスプレー式の方です。
機能回復・サビ防止などの効果があります

大手メーカーの「接点復活剤」を調べたところ、主成分は
- 鉱物油
- 防錆剤
- 石油系溶剤
と書かれています。
ということは石油系溶剤で金属の表面を溶かしてから汚れを除去し、鉱物油で薄い被膜を形成して電気の流れをよくし、さらに防錆剤でサビを防いでいるのでしょう。
つまり、接点復活剤には次のような効果があるとわかりますね。
- 電気接点の汚れを除去し、電気を流れをよくする
- スイッチ・スマートフォン・テレビ・コンピューターなどの接点に使える
- 接触不良の改善だけでなく、電気装置の保守管理にも使用可能
- 防錆の効果がある
さて、それでは本題です。
接点復活剤と同じ成分で、かつ接点復活・電気装置の保守管理・サビ防止などの効果がある代用品はあるのかというと…
全ての機能を兼ねそろえた代用品は、中々ありません。
ただし、接点復活(接触不良の改善)という点においては代用になるアイテムがあります。
そこで次の章からは、スマートフォンなどが接触不良のときに機能を回復させるアイテムをまとめました。
【代用5選】除光液やコンタクトスプレーが役立ちます
代用①コンタクトスプレー
呉工業(クレ)が販売する『コンタクトスプレー』。
コンタクトスプレーには接点の接触不良を回復させる機能があるため、接点復活剤の代わりに使えます。
接触不良の接点を回復させ、腐食を防止する接点復活スプレー。
特殊置換性オイルがカーボンや汚れ、異物を除去し、電気接点の接触不良を解消します。
接点部の摩擦を軽減し、腐食から保護します。
迷走電流の発生を防ぎます。引用元:https://www.monotaro.com/p/3840/9883/
接点復活剤とコンタクトスプレーの違いはわずかですが、コンタクトスプレーの方はゴム・プラスチックにかかっても安全。
この記事で紹介している「接点復活剤の代用グッズ」の中で、一番オススメのアイテムです。
代用②CRC5-56
『CRC5-56』は防錆、潤滑、除湿、防湿、キシミ止めに使えるアイテム。薬剤の名称ではなく、呉工業(クレ)が販売する製品のことです。
防錆・潤滑・防湿・除湿効果に優れ、微細なすき間にも入り込む強い浸透力。
さびを落とし、動きを良くする、工具箱の必需品。
強い浸透力で金属表面の水分を置換し、薄い被膜を形成することで、優れた潤滑性と、防錆性を発揮します。
スプレータイプは、目的の場所に浸透させやすく、手軽に使えます。引用元:https://www.monotaro.com/g/00001377/
『CRC5-56』は自動車などのメンテナンスに使えるので、すでに持っている人も多いでしょう。
物によっては『CRC5-56』を接点復活剤として使える可能性はありますが、逆にダメージを与える可能性もあります。
ケースバイケースですね。

商品のパッケージには電気製品・精密機械につかえると書かれていますが、この商品の役割はあくまでサビ落とし・潤滑材です。
代用③パーツクリーナー

パーツクリーナーとは、金属・プラスチック製パーツの洗浄や脱脂などに使われる洗浄液のこと。
アルコールを含んだ洗浄剤で、金属の汚れを除去するときにも使えます。

パーツクリーナーは接点復活剤の代用になりますが、物によっては機能回復どころかダメージを与える可能性もあります。
使用するときは注意が必要でしょう。

パーツクリーナーを使用するときは、綿棒の先に染み込ませてから金属接点を掃除しましょう。この時、接点以外には触れないよう慎重に擦ります。
精密機器なので作業は慎重に。また、機能が戻らないからといってゴシゴシ擦るのはNGです。
代用④無水エタノール
無水エタノールとは、水分をほぼ含まないエタノールのこと。通常のエタノールよりアルコール濃度が高いのが特徴です。
金属表面についた汚れを落とせるため、接点復活剤として代用できます。
すぐに蒸発する性質のため、パソコンや電化製品など精密機器の掃除にも使われてきた薬品です。
パソコンの接点掃除や、内部のホコリ除去にもよく使われています。
なお無水エタノールで接点を掃除するときは、原液を直接かけずに綿棒などを使用しましょう。
綿棒の先に無水エタノールをつけて、接点を擦ってみてください。
代用⑤除光液

マニキュアを落とすときにつかる除光液。
一般的な除光液は”アセトン”という有機溶剤が主成分です。そしてこのアセトンには、金属についた油や有機物を溶かす効果があります。
除光液で接点を掃除するときも、他の薬剤と同様に綿棒などに染み込ませてから使用した方がいいでしょう。
また、除光液を接点復活剤の代用として使う時は注意が必要です。本来の用途と違うので、自己責任で使用してください。
- おすすめの代用グッズ:コンタクトスプレー、無水エタノール
- 物によっては使える:CRC5-56、除光液、パーツクリーナー
※物によっては、コンタクトスプレーや無水エタノールが不向きの場合もあります。
【注意】鉛筆やシリコンスプレーでは代用不可
鉛筆を使うのはNG

ネットで「接点復活剤の代用」と検索すると、鉛筆を使った方法が表示されます。特に、リモコンと電池の接点を修理するときに使われるようですが…
結論から言えば、鉛筆を使うのはNGです。
鉛筆なんて使ったら、機械の中に粉がこぼれたり溜まったりして故障の原因になりかねません。
発熱の可能性もあるため危険です。

ネット上を見ると、鉛筆での代用を推奨しているサイトには
- 鉛筆の芯で端子を擦ると、端子についた凹凸を埋めてくれる
- 鉛筆の芯に含まれている黒鉛は電気を通しやすい
などの理由が書かれているため試したくなるかもしれませんが、管理人は非推奨です。
消毒エタノールは錆の原因になる

2章では「無水エタノールが接点復活剤の代用になる」というお話をしたので、中には「消毒エタノールも代用として使えそう!」と思った人もいるでしょう。
しかし、消毒エタノールを電子機器に使うのはNGです。こちらは水分を含む薬品なので、錆の原因になります。
シリコンスプレーは電気接点に使えない
便利なシリコンスプレー。金属や樹脂にも使えるので、接点の掃除に使いたいと思う人もいるでしょう。
ただし、電気接点の掃除で使うのはNGです。
シリコンスプレーを使ったら、さらなる接触不良を引き起こす可能性があります。

歯磨き粉は非推奨
歯磨き粉を接点復活剤の代用として使う人もいるようです。
というのも、歯磨き粉で端子を磨くことで研磨剤が汚れを落としてくれるという理由らしいですが…
個人的には、精密機器には使わない方がいいと思います。
メガネクリーナーや眼鏡拭きは使える?

目に見える汚れやホコリが付いている場合、眼鏡拭きで掃除をしても大丈夫です。マイクロファイバー製なら、油分もキレイにふき取ってくれます。
ただし、メガネクリーナーの液を使うのは非推奨です。水分が含まれているのでオススメしません。

代わりになる物まとめ

接点復活剤がないとき、代わりに次のアイテムで代用できます。
- コンタクトスプレー
- CRC5-56
- パーツクリーナー
- 無水エタノール
- 除光液

ただし、上記のアイテムはあくまで代用。使うときは注意が必要です。
コンタクトスプレーや無水エタノールなら、使っている人も多いため問題ないかと思いますが…
パーツクリーナー・除光液・CRC5-56に関しては、本来の用途と違うのでオススメしません。下手をすると、他の部品に影響を与えてしまう可能性さえあります。
全く代用にならないワケではありませんが、使用対象が精密機器なので使用するなら自己責任でおこなうことになります。

ネットでは鉛筆や歯磨き粉で代用するという口コミもありますが、こちらも同じく非推奨です。鉛筆も歯磨き粉も、故障の原因になりかねません。
できれば代用品を使うより、市販の接点復活剤を使用した方がいいでしょう。不安なときは代用品ではなく接点復活剤を購入し、店員かメーカーに使い方を聞いた方がいいですよ。